一台の活版印刷機から
私たちの原点は、創業者が一台の活版印刷機と向き合い、自らの手で文字を打ち込み始めたことにあります。
時代の移ろいとともに技術が進化し、印刷の姿も変わっていきました。けれど、私たちが活版印刷の枠を超え、お菓子屋さんの包装紙や箱といったパッケージの企画・デザインへと歩みを進めた背景には、創業者が遺したある言葉があります。
「お菓子は、その町の文化である」
手土産に託される、街の情景
誰かのもとへ訪ねるとき、手にする一箱のお菓子。 その土地でしか買えない味わい、独特の包み紙、箱を開ける瞬間の胸の高鳴り。それらは単なる嗜好品を超えて、その街で大切に育まれてきた暮らしの表情であり、固有の文化そのものです。
現代、街の風景は少しずつ移り変わり、長年地域に愛されてきたお店が暖簾を下ろす姿を目にすることも増えました。どこにいても同じものが手に入る利便性の反面、その土地ならではの景色や物語が消えていくことには、拭いきれない寂しさを覚えます。
一軒のお店が灯す明かりは、街の風景そのものです。だからこそ、その暖簾を守り、未来へ繋ごうとするつくり手のみなさまとともに歩むこと。それが、私たちの果たすべき役割なのだと感じています。
街の物語を、包みに映す
大掛かりな大量生産ではすくいきれない、店主の細やかなこだわりや商品の気品。 それを地元の職人たちの手技とともに、ひとつひとつ丁寧なかたちへと翻訳していく。
お菓子を包む紙や箱に意図を持たせ、お店の姿を正確に映し出す「見立て」の仕事は、その街の文化を明日へと繋ぐ作業でもあります。
言葉で多くを語る代わりに、手に取った瞬間の佇まいで、お店の志を伝える。 私たちはこれからも職人とともに、街の風景を彩る店主のみなさまと語り合いながら、そのお店にしか存在しえない「ただひとつの包み」をお仕立てしてまいります。