お菓子の箱を開けたとき、あるいは店頭でふと手に取ったとき、商品そのものの魅力と同じくらい記憶に残るのが、添えられたパンフレットやショップカードです。
パッケージが「お菓子そのものを包む衣装」であるならば、紙ものは「ブランドの言葉や背景を伝える声」のようなもの。どのような手触りの紙を選び、どんなインクや加工を施すかによって、お店の佇まいやものづくりへの想いはより鮮やかに、そして深くお客さまの心に届きます。
パンフレットやショップカードをつくるときに大切にしたい、紙とインクの選び方のコツをご紹介します。
――パンフレット・ショップカードを選ぶときのポイント
・世界観を語る「紙の質感(手触りと厚み)」の選択
ツルツルとした滑らかな質感の上質紙やコート紙は、写真や文字をシャープに美しく見せたいときに適しています。一方、わずかに繊維の風合いを感じさせるマットな用紙や、ざらりとした手触りの特殊紙を選ぶと、手仕事の温もりや和モダンの落ち着いた雰囲気がぐっと引き立ちます。厚みも、ペラペラとした軽やかさではなく、少しコシのある手ざわりにすることで、持ち帰ったあとも大切に残したくなる存在感に繋がります。
・ブランドのトーンを深める「インクと色味」の表現
画面上のデジタルな色味と、実際に紙にインクが乗ったときの発色は、紙の吸い込み方によって微妙に変わります。ブランドの軸となるカラーが、その紙の上で一番美しく、上品に発色するよう、事前の試し刷りや色調整を大切にすることが全体の調和を生むカギになります。
・小さな特別感を添える「箔押し・型押し(エンボス)」のあしらい
ショップカードのロゴや、パンフレットのタイトルの一部に、控えめな「箔押し」や、凹凸をつける「型押し」を施す。それだけで、光の角度によってさりげない陰影が生まれ、シンプルなデザインの中にぐっと深みと上質な特別感が生まれます。
お菓子を味わうひとときだけでなく、そのあとも手元にそっと残り続ける紙ものたち。細やかな素材選びやあしらいにこだわることで、お店のストーリーや温度感をいつまでも長く伝え続けることができます。